ウェアラブル(着込んだ)コンピューターなんてつまらない。どうせなら,身体のすべてをデバイスとして使うコンピューターを考えたい。まるで,人間の体内にあらかじめ備えられていたかのような,"inherent computer"。
インテル社は,PCがユーザーの目や手の動きを認識して動作する「コンピュータ・ビジョン・ライブラリ」を開発していると発表した。これはユーザーの視点を判断し,カーソルを移動したり,身振りによってプログラムを起動したりできる。
キーボードやマウスという,よくよく考えればとっても不自然な入力装置は,いつなくなるのだろうか。これだけ,CPUも含めた全体的なハードウェアが爆発的に向上しているのに,入力装置は一向に変わらない。音声入力も,すべての作業に使うには,まだまだ一般的とはいえない。
PCが視力を持つことで,と,記事は言い表しているが,これは逆に,人間がPCの「目」をなることと同義だ。自らの目をPCの目として,すべてを操作する。自らの目を入力デバイスのひとつとして使う。音声入力は,自らの口を入力デバイスとする試みだ。目も,口も,鼻も,手先も,すべてがデバイスとなり,脳が,心が,デバイスとなる。そして身体のすべてがデバイスとなったとき,人間は,次なる進化の過程を進む。
|